チャプター 95

二つの家のあいだ

カミラ視点

手紙が届いたのは夜明け前だった。だが、そこに宿っていたものを思えば「手紙」という言葉は小さすぎる。マーカスの声が、私たちをつなぐ絆を震わせていた。墨よりも深く、羊皮紙よりも重い。潮の引きのように一定で、それでいて切迫して、彼が何かを抱え込んだとき特有の、あの圧で私の意識を撫でる。

――カミラ、愛しい人……あまりにも長すぎた。シルバーの群れが君を必要としている。俺もだ。帰ってきてくれ。

彼はめったに声を荒らげない。怒りをにじませることなど、なおさらない。けれどこれは違った。一音一音に焦りが編み込まれ、糸となって私の心臓に絡みつき、彼のほうへと引っ張っていく。...

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